短編小説

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短編小説 VOL.14『けっきょく』

  • 2019.09.30

「今日は、なににしようかな」 そう思いながら、じつは心の中はきまっていた 「ベーコンエッグバーガーのセットください」 スタッフさんにオーダーする マフィンもいいけど、やっばりハンバーガー屋さんではパンよね 番号札を持って好きな席に座る 高校生のとき初めて、このバーガー屋さんに入ったときは感動した 美味しい、このチーズバーガー、それにシェークとポテトも最高、家では和食中心だったのでとっても新鮮だった […]

短編小説 VOL.13 『もしかして パート4』

(短編小説 VOL.12『もしかして パート3』のつづきです) 「こんにちは」 続々と集まってきた 今日は、待ちに待った結衣の誕生日会の日だ 誰が待ってたって、もちろん結衣もだが、わたしも待ちわびていた みんなに、と言っても少しマトをしぼって誘いをかけたところ、明菜ちゃんとママ、陽介くんとパパ、ママ、そして翔くんのパパ、ママが参加することになったのだ ついに、翔くんのパパと久方ぶりにお会いすること […]

短編小説 VOL.12 『もしかして パート3』

(短編小説 VOL.10 『もしかして パート2』のつづきです) 「今日ね、翔くんと遊んだんだよ」 長女の結衣が楽しそうに話しかけてきた 結衣は、今年小学校にあがったばかりで、1年生だった 「そうなの?」 わたしは思わず、つよく反応してしまった あの運動会の準備の日のできごと以来、頭の中から翔くんパパのことがはなれていかない、四六時中考えてしまっていた とくに、わたしは専業主婦なので家事が一通りす […]

短編小説 VOL.11 『わるいな』

  • 2019.09.25

「ああ〜とられちゃった」 娘が、横でふくれっ面をしている 至福のソファ➕オットマンが、拓也の定位置なのだ ちょっと浅めに座って頭を背クッションにのせ、オットマンの上で足を伸ばす 「ふう〜気持ちいい♡」 心地いい感覚と同時に、娘にわるいなという感情が浮かんでくる 自分が二階からおりてくるまでは、ここで彼女が一人でくつろいでいたのだ 横に並んでポツポツと会話する 彼女は、ZOZOタウンの […]

短編小説 VOL.10 『もしかして パート2』

(前回の短編小説 VOL.9「もしかして」のつづきです) 「ありがとう」 翔くんパパは、アッサリとわたしのハンカチを受け取ると、額の汗をぬぐった ちょっと意外だった、控えめな印象の人だったので、いやいいですとか言って恐縮されるかと思っていた 案外に大胆な行動をとる人なのかもしれない 「どうかされましたか?」 額をぬぐい終わると、今度は、ハンカチを丁寧に四つ折りにして、ハイと手渡してきた 「ありがと […]

短編小説 VOL.9 『もしかして』

一瞬、目があってドキッとした 小学校に通う結衣の同級生 翔くんのパパだった 「こんにちは」 普段より1オクターブくらい高い声がでた 今日は、父兄で運動会の準備をしている 翔くんパパも、白いTシャツにジーンズといういでたちでテント張りをしていた なんだか好感がもてる人だった 初めて会ったのは、雨の日に傘がなくって、校舎で一人雨宿りをしていたとき 「あの、カサお持ちでないんですか?僕、車に予備の傘があ […]

短編小説 VOL.8 『成長』

  • 2019.09.22

2015年 夏 広島 「しまった、今日は水曜日だった」 またもや、とんでもないことを仕出かしてしまった 主婦にとっての一大事、今日は燃えるゴミの日だったのだ まわりからは、なんだそんなことで、と言われそうだが、とんでもない 燃えるゴミをそのままにしていたら、生ゴミなんかから匂いが発生してくるし、そもそもゴミがたまる一方となってしまうのだ わたしは、縞模様のラガーシャツをまとったラガーマンならぬラガ […]

短編小説 VOL.7 『ただ、それだけで』

  • 2019.09.19

「相手 強すぎだよ、ヤバすぎ」 娘がスマホのゲームに夢中になっている その横で、わたしもスマホ ソファの上で お互い好きなことをやってる 胡座をかいてみたり、オットマンに足を伸ばしたり、アームによっかかったり・・ 別に二人でなにをするというわけではないけれど、ワイド180センチのそれほど大型でもないソファの上に、一緒に座ってることで、なんだか妙な連帯感がある 昔みたいに応接セットに向かいあって、さ […]

短編小説 VOL.6 『命題』

  • 2019.09.16

いつも、わたしは一人 つぶやいてみる 今も、自宅のリビングで一人お茶を飲んでいる こんな時間がきらいなわけではない 一人でのびのび好きなことができるんだから それはそれでいいと思う ただ、ときには家族ともっとゆっくりくつろいだり、お話したりしたいという気持ちがある 自宅に一人で住んでるわけではない 五十路を超えた夫と、高校二年の長男、中学三年の長女の四人暮らし 四人で住んでるのだけど、かれらは食事 […]

短編小説 VOL.5 『発見』

  • 2019.09.14

「ねえ、聞いてくれる?幸二、最近ちょっとおかしいのよ」 「どうしたの?」 今日は、日頃からたまってるうっぷんを、由美子に聞いてもらおうと電話をかけた。 「それがね、ときどき帰りがすごく遅いの」 「ふーん」 「今までは、時計の針みたいに、会社が 終わったら、まっすぐに帰ってくる人だったのに、先週なんて二回も午前様よ。あなた、どう思う?」 「そっかあ、それ結構やばいかもよ」 由美子は、昔から、こんなと […]